子どもの発達障害と腸内フローラは関連する?

妊娠中に「味噌汁・納豆・チーズ」を勧める理由

本日は、子どもの発達障害と腸内フローラは関連する?というテーマで、
2024年に発表された論文を元に内容をご紹介したいと思います。

論文はこちら

この研究は、日本環境・児童研究(JECS)グループが実施、発表したものです。

この論文では、「妊娠中に何を食べるか」によって、生まれた後の子の
神経発達にまで影響を及ぼす可能性が示されました。

この研究では約7万3千組の母子データを用いて、
妊娠期の発酵食品摂取と生後1歳時点の神経発達との関連を検討しています。

さまざまな発酵食品

発達評価にはUNICEFも推奨するASQ-3(Ages and Stages Questionnaires)を用い、コミュニケーション、粗大運動(大きな筋肉を使った動き、寝返り、座り、歩くなど)、微細運動(手や指先を使った細かい動き)、問題解決、コミュニケーションの5領域を評価しています。

結果として、味噌汁摂取量が多い群でコミュニケーション領域の
発達遅延リスクが有意に低下していました。

妊娠中の納豆摂取量は、コミュニケーション、微細運動、問題解決の3領域における発達遅延リスクの低さと関連していました。

また、チーズは微細運動、問題解決、コミュニケーションの複数領域でリスク低下と関連しました。

研究者らが想定するメカニズムは、腸脳軸(gut-brain axis)です。

腸内細菌叢の変化が、迷走神経や内分泌シグナル、免疫系という
3つの経路を通じて中枢神経系に影響するという考え方です。

子の腸内細菌は、出生時に産道を通ることで
母親の腸内・腟内ビフィズス菌を受け取り、
出生直後の子の腸内細菌の新生児腸管への菌定着に影響します。

このことは、妊娠中の母親の食生活の結果である母親の腸内細菌が、
子の精神発達、つまり発達障害にも影響する可能性があることを示しています。

この論文で示されている結果は、
母親の味噌汁と発酵大豆の摂取がそれぞれ
子のコミュニケーション能力の遅れのリスクの有意な減少と
関連していることが示されています。

簡単な表現にすると、
母親が妊娠中に味噌汁や納豆をしっかり摂取している場合は
子の発達障害のリスクが減少した、ということになります。

ただし、これは大規模観察研究であり、
因果関係を証明するものではありません。

腸のかわいいイラスト

ではあるものの、
発酵食品の摂取などにより、良いバランスの腸内細菌を
受け取ることが出来た場合は、発達障害のリスクが減る可能性を
示唆しています。

この論文では、味噌や納豆、ヨーグルト、チーズなど、
異なる菌種・発酵過程を持つ食品が、
それぞれ異なる発達領域と関連していた点も指摘されています。

妊娠中の女性は、特に発酵食品の多様性を確保しながら
食物繊維と組み合わせる食べ方が、腸内環境の安定という観点からも
おすすめと言えるえしょう。

子どもの発達障害のリスク低減のためにも、
妊娠中の女性は特に、腸内環境を整える食べ方が必要だろう、と思われます。



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