エネルギーを作り出すミトコンドリアの働きとは?
ミトコンドリア~その仕組みと大きな役割について
私たちが食べたご飯やパンなどの糖質、肉や魚などのたんぱく質、
油に含まれる脂質は、消化・吸収された後、
最終的にミトコンドリアで「ATP(アデノシン三リン酸)」
というエネルギーに変換されます。
ATPは、筋肉を動かす、脳を働かせる、心臓を拍動させる、
体温を維持するなど、生きるためのあらゆる活動に欠かせない
エネルギー源です。
この仕組みの中でメインで使われている原料は、糖質です。
そのため、ミトコンドリアは「細胞の発電所」と呼ばれたりしていますよね。
免疫細胞が細菌やウイルスと戦うときにも
大量のエネルギーが必要になりますし、
傷ついた細胞を修復したり、新しい細胞をつくったりするためにも
ATPは欠かせません。

つまり、ミトコンドリアが元気に働いていることは、
体全体の機能を維持するための土台なのです。
けれども、近年の研究では、それだけではなく、
細胞の健康状態を監視し、老化やがんの発生を防ぐ
重要な役割を担っていることがわかってきました。
私たちの細胞は、一日に何万回、何十万回という化学反応を繰り返しています。
その過程では、紫外線や喫煙、ストレス、
さらには代謝そのものによってDNAに傷がつくことがあります。
通常であれば、細胞にはこの傷を修復する仕組みが備わっています。
しかし、修復できないほど大きなダメージを受けた細胞が生き残ると、
異常な細胞へと変化し、がんにつながる可能性があります。
ここで重要な働きをするのがミトコンドリアです。
ミトコンドリアは、細胞の状態を常に監視し、
「この細胞は修復可能か、それとも役目を終えるべきか」
を判断しています。
そして、修復が困難だと判断すると、
「アポトーシス(細胞の自殺)」という仕組みを働かせ、
自ら細胞を消滅させるよう指令を出します。
この働きによって、異常な細胞が 体内に蓄積するのを防いでいるのです。
一方、加齢とともにミトコンドリアも少しづつ傷つき、
数や機能が低下していきます。
するとATPを十分につくれなくなるだけでなく、
細胞の品質管理能力も低下します。
その結果、本来なら排除されるはずの傷ついた細胞が体内に残りやすくなり、
慢性的な炎症や老化、さらには発がんリスクの上昇につながる可能性
があると考えられています。
さらに近年では、ミトコンドリアは オートファジーとも
密接に関係していることが明らかになっています。
古くなったミトコンドリアは「マイトファジー」と呼ばれる仕組み
によって選択的に分解・除去され、
新しいミトコンドリアへと入れ替えられます。
この仕組みが正常に働くことで、
細胞全体のエネルギー産 生能力や品質管理機能が維持されます。
しかし、この入れ替えがうまくいかなくなると、
機能の低下したミトコンドリアが蓄積し、
老化やさまざまな疾患の原因になると考えられています。
もちろん、「ミトコンドリアが元気だから、がんにならない」
というほど単純ではありません。
しかし、ミトコンドリアが正常に働き、十分なエネルギーを産生し、
傷ついた細胞を適切に修復・排除できる状態を保つことは、
老化を遅らせ、健康な細胞を維持するうえで非常に重要
だと考えられます。

だからこそ、ミトコンドリアがエネルギーをつくるために必要な栄養素
である糖質、たんぱく質やビタミンB群、鉄、マグネシウムなど、
を十分に摂ることが重要になります。
また、適度な運動、良質な睡眠を心がけることは、
単に「疲れにくくする」だけではなく、
細胞そのものを健全に保ち、老化や病気のリスクを減らす土台づくりにつながります。
健康とは、単に病気がない状態ではなく、
細胞一つひとつが十分なエネルギーをつくり、
本来の働きを発揮できる状態です。
その中心で休むことなく働き続けているのが、
ミトコンドリアということができます。
毎日の食事でミトコンドリアがしっかり働くのに
必要な栄養素をとって、
元気な毎日を過ごしたいですね♪
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