スポーツドリンクを飲み過ぎると気持ち悪くなる理由とは?
運動しててもたくさん飲めるわけじゃない!? 適切な量を把握しよう
だんだんと蒸し暑い季節になってきました。
本日は、スポーツ栄養に関するお話です。
「暑い日はスポーツドリンクをたくさん飲んだ方がいい。」
そう思っている方は多いのではないでしょうか。
確かに、汗をたくさんかく運動中には、
水分だけでなく糖質や電解質(ナトリウムなど)を補給することが大切です。
しかし、「たくさん飲めば飲むほど良い」というわけではありません。
実際、スポーツドリンクを飲み続けているうちに、
気持ち悪くなったという経験をした方も少なくありません。
その理由の一つが、「胃から腸へ飲み物が移動するスピード」にあります。
スポーツドリンクには糖質が含まれています。
糖質濃度が高くなるほど、
胃は「急いで腸へ送ると体液のバランスが崩れる」と判断し、
胃の内容物を送り出すスピードを遅くします。
すると、胃の中に飲み物が溜まりやすくなり、
胃が張った感じや吐き気につながることがあります。
さらに、長時間の運動では血液が筋肉へ優先的に送られるため、
胃や腸への血流は減少します。
その結果、消化・吸収能力も低下し、普段なら問題なく飲める量でも、胃に負担がかかりやすくなります。

特にウルトラマラソンやトライアスロンなどの長時間競技では、
この影響が顕著になります。
また、「エネルギー不足」と「胃に糖質が残っている状態」が
同時に起こることもあります。
胃に糖質があるから安心、というわけではありません。
胃から腸へ送られなければ吸収されず、
筋肉や脳のエネルギーとして利用できません。
そのため、「スポーツドリンクは飲んでいるのに力が出ない」
という状態になることもあります。
一方で、パンやおにぎりなどの固形物を少量食べた後に回復した、
という話を聞くことがあります。
これは「固形物だから効いた」というよりも、
その時点で不足していたエネルギーを補えたことや、
補給内容が変わったことが関係している可能性があります。
実際の回復には、胃の状態や運動強度、補給のタイミングなど、
さまざまな要因が影響します。
スポーツドリンクは、運動時の強い味方です。
しかし、「飲めば飲むほど良い」ものではありません。
運動時間や気温、自分の体調に合わせて、
水や補給食も組み合わせながら摂取することが大切です。
大切なのは、「何を飲むか」だけでなく、「どのくらいをいつ飲むか」。
考え方としては、
運動前後の体重を測るだけで、おおよその発汗量が分かります。
例えば
- 運動前 70.0kg
- 運動後 69.2kg(運動前の-0.8kg)
- 飲水 800mL
- 排尿なし
なら
- 0.8+0.8=1.6L
つまり
- 1時間で約1.6L汗をかいた
ということになります。
運動中に汗を100%補給しようとすると、
胃に水分がたまり
↓
吸収が追いつかず
↓
吐き気
になりやすいことがあります。

そのため、補給する水分量は、
発汗量の50~80%程度が目安になります。
人の胃から小腸へ送り出せる水分量には限界があり、
一般的には1時間あたり約600~800mL程度が一つの目安とされています。
個人差や運動強度、飲料の濃度によって変わりますが、
これを大きく超えるペースで飲み続けると、
胃に水分が滞留しやすくなります。
選手の体調や体質などを、
普段から観察し、最後まで気持ちよく動き続けるための
適切な量を割り出しておくことがポイントになります。
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