食べ合わせの酵素科学「一緒に食べると栄養が消える」組み合わせ
いわゆる腸活はひとそれぞれ。正解はどこ?
「同じものを食べても、体への影響は人それぞれ」
これは、2020年にNature Medicineに発表したPREDICT研究
によるもので、約1,000名に同一の食事を摂ってもらい、
食後血糖の反応が人により最大で約2倍も違うことが示されました。
この個人差を説明する要因として、遺伝よりも腸内細菌叢の状態
のほうが大きく寄与していたと報告されています。
こうした背景から腸内環境を整えることへの関心が高まりました。
いわゆる「腸活」です。

一般的な腸活では、日本では発酵食品に注目が集まりがちですが、
それに加えて、食物繊維やオリゴ糖、レジスタントスターチも重要です。
けれども、実は、もう一つ重要な視点があります。
それは、大腸の入り口あたりにいて、入ってきた繊維などを分解する
一次発酵菌(糖化菌)がきちんと働いていることです。
一次発酵菌の働きが弱いと、
せっかくのオリゴ糖やレジスタントスターチも活かされません。
大腸の発酵には順序があり、まず大腸の入り口で、ビフィドバクテリウムや
バクテロイデスなどの一次発酵菌が多糖類を分解し、
乳酸や酢酸などの中間代謝物を生みます。
これを二次発酵菌が受け取り、酪酸などの有益な短鎖脂肪酸へと変える
という、菌のバトンリレーが機能していることが重要です。
もし一番最初の菌がしっかり働いていないと、入ってきた繊維質などは、
使われないまま腸の中を流れてしまうため、
タンパク質を分解する腐敗系の菌が優勢になり、
アンモニアなど好ましくない代謝物が増えてしまうことになります。
「繊維を増やしたのにお腹が張る」という不調の一部は、
この状態が起きている可能性が高いと言えます。
では、こうした不調と考えられるものがある場合は、どうしたら良いでしょうか。
ひとつは、一次発酵菌であるビフィズス菌を食品としてしっかりとること、
次に、ビフィズス菌を増やすことに働く成分をしっかり食べることです。
具体的には、ごぼう、玉ねぎ、にんにく、
菊芋などに含まれるイヌリン型フルクタンや
ガラクトオリゴをしっかりとることです。
ただ、いきなり大量に摂るとガスや張りの原因になるため、
少しづつ増やすことが肝心です。
ここまで整えてたら、冷やごはんや豆類のレジスタントスターチ、
多様な植物性食品をとるのがおすすめ、ということになります。

なお、納豆菌は、自らアミラーゼを分泌して多糖を外側から分解するという、
一次発酵菌とは別であるものの"補助役"を果たします。
定着はしませんが、通過中に分解を助け、
腸内環境を整える一助になると考えられます。
けれども、これらの応答には大きな個人差があります。
そのため「誰にでも効く正解」はなく、
自分の腸の反応を観察しながら調整することが大切になります。
今週はまず、少量のオリゴ糖が含まれる食材を意識するところから
はじめてみてはいかがでしょうか。
もし、実際にお腹の不調で悩まれている場合は、
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