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「塩」適切な量、摂取できていますか?

twitterでトレンド入りの"反減塩"の事実とは?


4月上旬、ツイッターで “反減塩” なるキーワードが、一時トレンドワード入りしていたようです。
反減塩、つまり、減塩が病気を作っているという内容です。


食塩は、ヒトの身体には、不可欠なものです。
ですから、適度の量をとることが必要になります。
しかし、食塩過剰摂取は、高血圧、胃がんのリスク上昇させます

実際には、塩を意識して摂らなくても、
食品に塩が含まれていることが多いため、調味料としての塩は最小限でよいということになります。

「調味料として使う塩は最小限に」、とはいえ、塩なしは美味しくないので、
少しは身体に負担のかからない、あるいは、ミネラルが豊富な身体によい塩を使えばよいのではないか?と考える人もいるかもしれません。

日本の食品成分表に掲載されている塩は、何種類かありますが、
いわゆる精製塩は塩化ナトリウムが99.5%以上のもの、食塩は99%以上のもの、並塩(別名あら塩)は95%以上のものと品質規格が決まっています。


塩化ナトリウム以外の成分は何かというと、カリウム、カルシウム、マグネシウムになります。
特に並塩には、カリウムやカルシウムが他の種類よりも多く含まれています。

とはいえ、95%以上は塩化ナトリウムですので、
微量に含まれる他のミネラルを目的に塩をとるのは、食塩のとり過ぎになってしまいます。

2021年になり、食品成分表が大きく改訂されました。
それに伴って、減塩タイプの食塩の成分値も追加されています。
減塩タイプには、2種類あり、ひとつは調味料を含むもの、もうひとつは、調味料不使用のものです。
調味料を含むものは、有機酸(クエン酸、リンゴ酸などの酸性を示す有機化合物)が含まれ、カロリーがあります。

一方、調味料不使用のものは、塩化カリウムが含まれています。
塩化カリウムを使った減塩と言えば、イギリスで国をあげて実施され大きく減塩することができ、
結果として食塩の過剰摂取が原因とされる疾病が減少したことが有名です。



外国産の岩塩とイギリスで医療費を約2600億円削減した減塩の取り組みについて

先ほど、日本の食品成分表に掲載されている塩は、精製塩(塩化ナトリウムが99.5%以上)、食塩(塩化ナトリウム99%以上)、並塩(別名あら塩、塩化ナトリウム95%以上)があることをお伝えしました。


規格としてはそうなのですが、実際には、平成9年の塩の専売が廃止されて以降、この規格に当てはまらないさまざまな塩が販売されています。

では、塩化ナトリウム以外のミネラルがたくさん含まれている塩がどれくらいあるのかというと、ミネラルが多い藻塩(海水と海藻から作らている)でも塩化ナトリウムは、87%ほど含まれており、栄養成分としてのミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム)は合計しても1.3g程度にしかなりません。

よくピンク色の岩塩には、鉄が含まれていてミネラル豊富だという説明がされている場合がありますが、岩塩に含まれている鉄は一般的に赤鉄鋼や赤粘土と同様の成分であり体内で吸収できません。

また、通常、岩塩は塩が結晶化してできるものであるため海水を原料とする塩よりもミネラルは少ない傾向があります。

塩に含まれるナトリウム以外のミネラルは、ほとんどがマグネシウム、カルシウム、カリウムです。
こうしたミネラルは、苦汁(にがり)の成分であり、海水を原料とした塩の方が多く含まれます。
こうしたわけで残念ながら、減塩しなくてもよい塩は存在しません。

減塩がどのような効果をもたらすのかについては、イギリスの例があります。
イギリスでは、2003年に食品における食塩含有量を減少させることを目標とする政策がスタートし、特にパン、シリアルなどの加工食品について、食品企業が共同で減塩目標を自主的に設定しました。

パンに含まれる塩の量をいきなり減らしたり、他のものに変えるのではなく、消費者が味の変化に気づかないように少しずつ、こっそり減塩していったのです。

結果として2003年から2011年で成人における塩分摂取量は約10gだったものを、約15%減少させることに成功しています。

その結果、平均の収縮期血圧が低下し、なんと脳卒中や虚血性心疾患による死亡率は40%も減少、医療費は1年あたり日本円で約2600億円削減しました。

減塩によって高血圧とそれに関連する疾病が減少することは、多くの研究結果でも示されています。

ヒトのからだにとって必要な塩。
だからこそ、以前は日本で塩は専売とされて大切にされてきました。

今は、さまざまな塩の種類が手に入ります。
好みの塩を美味しく効果的に、少量使うことで食事をより楽しめるとよいですね。