
糖尿病の予防として糖質を脂質と一緒にとることはおすすめなのか?
食後血糖だけで判断しないで
先日、ぼーっとyoutubeを見ていたところ、
ある糖尿病専門医の方が、
「糖質と一緒に脂質をとると
血糖値は上がらないのでおすすめです、
脂質はたくさん摂っても構いません」
というような趣旨の発言をされていて
かなり驚きました。
そのような説を言う専門家がいるのは認識していますが、
糖尿病専門医の方が。。。というのが一番の驚きでした。
果たして、これをそのまま信用していいのでしょうか?
確かに糖尿病専門医の方の中にも
いろいろな考えをお持ちの方はいらっしゃいますが、
この考え方を採用するのは、
辞めておいた方が良いかと思います。
その理由を説明します。

一番の理由は
「糖質と脂質を一緒にとると、
確かに血糖値は上がりにくくなりますが、
インスリン抵抗性も上がる」
という論文が出ているためです。
インスリン抵抗性が上がる、ということは、
インスリンが効きにくくなる、という状態です。
つまり、
「血糖値が下がりにくくなってしまう」
ということです。
血糖は、
細胞にエネルギー源となる糖(ブドウ糖)を届けるために
血液中に存在しています。
通常は、インスリンが作用して細胞に吸収されることで
細胞はエネルギー源を受け取り、
血中の糖は少なくなります。
インスリン抵抗性が上がる、ということは、
インスリンが効きにくくなって、
血糖を細胞に取り込むことができない状態になる、
ということです。
血中に残った糖は、AGEs(終末糖化産物)となり、
血管を傷つけます。
また、インスリン抵抗性が上がることで、
インスリンの効きが悪くなるため、
膵臓はさらにインスリンを分泌しようとし、
疲弊して糖尿病になりやすくなります。
糖質と脂質を一緒にとることで
インスリン抵抗性が上がるということは、
日本人を対象にした研究では、
こちらや、
海外の報告では、
高脂肪食ではインスリン抵抗性が上昇する、
という論文も発表されています。
脂質の摂りすぎは、脂質異常症を引き起こします。
脂質異常症は、動脈硬化の原因となり、
動脈硬化になると、さまざまなところで
血管が固くなってしまうため、
糖の処理がうまく出来なくなります。
つまり、
脂質の摂りすぎも糖尿病の要因になり得る
と言うことができます。
脂質の過剰摂取は、肥満につながり、
肥満は、糖尿病にもつながります。

血糖値を上げないためには、
食物繊維が多い穀類を選ぶ、
よく噛んで、ゆっくり食べる、
バランスよく食べる、
などの方法がおすすめです。
バランスよく、美味しく食べて
健康を維持したいですね!
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