朝と夜で腸内細菌が変わる?
体内時計が狂わない食生活のコツとは
私たちの体には「体内時計」があるのは、ご存知かと思います。
朝になると目が覚め、夜になると眠くなるだけでなく、
体温やホルモンの分泌、血圧、糖や脂質の代謝など、
さまざまな働きが約24時間のリズムを刻んでいます。
実は近年の研究から、
腸内細菌も24時間ずっと同じ状態ではなく、
一日の中でダイナミックに変化していることがわかってきました。
ヒトを対象とした研究では、
健康な成人から採取した便を時間帯ごとに調べたところ、
調べられた腸内細菌の約35%で、
その相対量が採便時刻と関連していました。
つまり、朝と夜では腸内細菌の「顔ぶれの割合」が少し違っているのです。
しかも、変わるのは菌の構成だけではありません。
腸内細菌がつくる代表的な代謝物である、
酢酸、プロピオン酸、酪酸などの
短鎖脂肪酸にも時間帯による変化がみられ、
同じ研究では、これらが一日の後半にかけて低下することが確認されました。
短鎖脂肪酸は、腸内細菌が主に食物繊維などを
発酵することでつくる物質です。

大腸の細胞のエネルギー源になったり、
腸内環境の維持や私たちの代謝に関わったりすることが知られてい ます。
つまり腸内細菌は、24時間ずっと同じ顔ぶれで、
同じ仕事をしているわけではない、
ということなのです。
そのリズムをつくっているもののひとつが食事です。
私たちが食事をすると、
消化管には糖質、たんぱく質、脂質、食物繊維などが入ってきます。
それに伴って腸内の環境が変わり、
腸内細菌の活動も変化します。
そして食べない時間が続けば、また環境が変わります。
腸内細菌にとって食事は、「エサ」であると同時に、
一日の時間を知らせる合図のひとつとも考えられるのです。
実際、マウスを使った研究では、食事をとる時間を変えると腸内細菌の日内リズムも変化することが示され、
ヒトでも腸内細菌の構成だけでなく、
細菌がもつ代謝機能に時間帯による変動が確認されています。
こうした研究から見えてくるのは、
健康的な食事を考えるときには「何を食べるか」だけではなく、
「いつ食べるか」という時間軸も無視できないということです。
とはいえ、「夕食は早い時間に食べましょう」と言われても、
仕事などで毎日21時、22時になってしまう方もいるでしょう。
現在の研究から
「夜○時以降に食べると腸内細菌に悪い」
とまで言えるわけではありません。
夕食が遅いからといって、必要以上に心配することはありません。
毎日夕食が遅くなる場合は、
昼食でしっかりした食事をし、
夜に一日の食事が集中しないようにすることで
夜の食事を軽めに調節することが大切です。
夕食は、しっかり食べることが多くなると思いますが、
食べる時間が遅くなることが日常の方は特に、
腹八分目程度を目安に、
ご飯などの主食、魚や肉、豆腐などのたんぱく質、
野菜を組み合わせた普通の食事をとります。

そのうえで、揚げ物や脂身の多い肉など脂質の多い料理ばかりにならないようにし、
焼く、蒸す、煮るといった調理法を選ぶようにすることがおすすめです。
腸内細菌は一日の中でも変化しながら、
私たちと一緒に暮らしています。
「何を食べるか」に加えて、
「いつ、どのように食べるか」もとても大切な視点となります。
朝食をしっかり食べる、
夕食はできるだけ遅い時間にならないようにする、
どうしても遅くなる場合は、
昼食をしっかり食べることで
夕食を軽めにする、
こうした1日を通した調整が
腸内細菌にも良い影響を与えると考えられます。
※引用論文
https://m.eiyomember.com/l/m/VDefmYgZrN6Ds2gov/28971851/
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