発酵調味料である「みりん」驚くほど多いさまざまな働きとは?

調味料としてだけではない、みりんの底力!

江戸時代のころから甘みをつける調味料として使われてきたとされる「みりん」。

現在販売されているみりんには、「本みりん」と「みりん風調味料」がありますが、
みりん風調味料は別の成分になるため、ここでは「本みりん」についてのみ解説します。

最近はみりんを使う人が減っているという話も聞きますが、みりんは発酵調味料であり、さまざまな働きがあります。

どんな働きがあるのでしょうか。


本みりんは、もち米、米麹、焼酎(又はアルコール)を主原料とし、60日程度室温で熟成したものから作られます。
アルコール添加しているため、アルコール度数が高く、酒類に分類されます。

みりんの甘みは、もち米のでんぷんが糖化されたもので、ブドウ糖の他に多糖類も多く含まれているため、まろやかで上品な甘みがあります。

また、アルコール度数があることで食材への浸透が早く、食材のうま味や甘味、コクが均一に出るという特徴があります。
コハク酸やさまざまな種類のアミノ酸が含まれることで、味にコクが出るほか、
アミノ酸の働きとして代謝を促したり疲労回復も期待できます。

そのほかには、オリゴ糖、フェルラ酸などが含まれるとされています。
オリゴ糖は腸内環境を整えますし、フェルラ酸には、抗酸化作用があります。
このように、さまざまな健康効果が期待できます。

その他にも、みりんに含まれるアルコールや消臭効果のある成分が、魚や古い米などの臭い消しとしての役割も発揮します。
米を炊くときに少しのみりんを加えることで、つやが出てうまみも増す、という研究報告もあります。

よく知られている、照りやツヤを出す、という働きもあります。
そのほかに、食材の煮くずれを防止する効果もあります。

さらに、みりんに含まれる有機酸は食材を酸性に傾かせる作用があるため、防腐効果が高くなります。

食材に含まれる脂質の酸化も抑制します。
醤油とみりんで煮て作られる佃煮が、長く保存できるのは、みりんを加熱したことによって生じる成分に抗酸化の働きがあることが影響していると考えられます。

古くは酒として飲まれ、その後、調味料として使われるようになった発酵調味料みりん。

驚くほどの様々な働きがありますね!
食材をよりおいしくするだけでなく、健康にもよい働きが期待できるみりん。

煮物、特ににおいが気になる煮魚や、照り焼きなど、みりんを活用してみてはいかがでしょうか。



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