食欲が落ちすぎるのも要注意? GLP-1薬とケトーシスの最新研究
「痩せたい」が裏目に? 楽なダイエットに潜む、ちょっと恐い落とし穴
GLP-1受容体作動薬は、糖尿病治療薬ですが、
ここ数年、治療ではなく、ダイエット目的でも使われる方が
増えています。
こうした薬は、食欲を抑え、体重減少につながるという働きが期待されています。

ところが、最近「食欲が落ちすぎること」で気になる報告が出ています。
ひとつは、23歳の日本人女性の例で
「正常血糖性ケトアシドーシス」を発症した事例です。
チルゼパチド(GLP-1受容体作動薬の一種)の使用後、強い食欲低下、
吐き気、下痢が起こり、食事量が大きく減少し、
結果として血液中のケトン体が著しく増加し、ケトアシドーシスを
引き起こした、というものです。
この女性は、糖尿病ではなく、
ダイエ ット目的で使用した例となります。
栄養検定3級のテキスト内にも記載がありますが、
私たちの体は糖質をメインのエネルギーとして利用しています。
そのため、糖質からのエネルギー摂取量が極端に少なくなると、
不足するエネルギーを補うために、体内の脂肪を分解します。
これだけを聞くと、体脂肪が減るなんてうれしい~と思うかもしれませんが、
脂肪を分解してエネルギーを作り出そうとすると、
肝臓でケトン体が作られます。
ケトン体が作られること自体は、空腹時などにも起こっている
正常な生理現象ですが、
ケトン体産生が多すぎると、血液が酸性に傾く
「ケトアシドーシス」となり、生命の危機にかかわる
危険な状態となります。
別の事例では、薬ではなく低糖質食 と断食を行って、
ケトアシドーシスを発症した事例も報告されています。
GLP-1受容体作動薬は、複数の種類があり、
それぞれ使用される目的が違いがあり、
2型糖尿病の治療といった、承認された使用目的で、
処方されている場合は、過度に心配する必要はありません。
けれども、単なるダイエット目的で使用し、
さらに、極端に糖質を減らしたり、断食を組みあわせる
といったことをすると、極端なエネルギー不足に陥る可能性があります。
体に必要な栄養素まで減らしてしまうような
使い方や食べ方は、本来の目的である「健康を実現する」
というところから大きく外れてしまいます。

痩せたい、痩せなきゃ、と思う人は多いと思いますが、
必要な栄養を取りながら、
過剰なエネルギー摂取を減らし、
健康的に体重を減らす、ということが重要です。
それが難しいから大変なんだよ~!という声が聞こえてきそうですが、
まずは、多くの方が過剰摂取になっている
「脂質」を減らすところから意識してみるのが、
おすすめの方法になります。
特にスナック菓子などには、見えない脂質がたくさん含まれている場合があります。
まずは、パッケージに記載している栄養素の成分表示で
脂質の量を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
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