幼児期の気質は、腸内細菌叢と関係する!~京都大学の研究報告より
腸内環境とポジティブな感情や行動の関連性
本日は、数日前に発表された京都大学の研究報告について見てみたいと思います。
その内容は、
「幼児期の気質は、腸内細菌叢と関係する」というものです。
気質とは、環境刺激に対する反応や、
それを制御する行動の個人差のことです。
気質の中でも、不快情動やストレス反応の個人差は、
その後の問題行動や精神疾患と関連することが知られており、
リスクを早期発見しうる指標のひとつとして注目されています。
また、成人を対象とした研究では、
うつや不安障害などの精神疾患が腸内細菌叢と関連するという報告があります。
今回の研究では、炎症を誘発する菌や抗炎症作用に関連する菌が
幼児期の気質と関連することが示されました。
具体的には、
腸内細菌叢の多様性などが正常な状態ではない状態"ディスバイオシス"な状態であることが、
不快情動やストレス反応を表に表すことの多さや、
快情動の表出や新奇な環境や刺激に対する探索接近行動の低さと
関連するということなのです。
つまり、腸内細菌叢の多様性が保たれていると
不快なことやストレスに対するネガティブな反応は少なくなり、
ポジティブな情動を表しやすく、
新しい環境などにも興味を持って積極的に関わっていく行動をとる傾向にある、
ということになります。
一般に腸内細菌叢のベースとなる構成は、
幼児期(3~4歳)までに作られるとされています。
今回の報告は、3~4歳の保育園などに通う子どもを対象に行われました。
子どもの腸内環境の多様性は、食べてきたものや、生活してきた環境、
生まれてくる時にお母さんから受け取る細菌など、
さまざまな要因に影響されます。
この報告では、特に抗炎症に関わる細菌や酪酸の産生に関わる細菌の関与が報告されています。
こうした菌は、発酵食品(味噌など麹を使ったものや、ヨーグルトなど)や
食物繊維が豊富な食品の摂取に関与すると考えられます。
大人になってからでも、こうしたものを食べることが
ポジティブな心の動きや新しいものへの興味関心などに影響しているのかもしれません。
これからの研究が待たれるところです。
詳しい研究報告は、こちらからご覧いただけます。
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