
直腸がんが減る?牛乳のすごい力とは?
カルシウムだけじゃない!牛乳に秘められた健康パワー
今日は、牛乳の働きについて見てみたいと思います。
今年1月にオックスフォード大学の研究チームが発表した54万人を対象にした食事調査に関する論文で、
乳製品の摂取が大腸がんの発症リスクを低減する、という論文が発表され話題となりました。
日本国内でも報じられましたので、記事を目にした方もいらっしゃるかもしれません。
この研究では、54万人のうち、1万2千人の女性を16年間(平均約5年)追跡調査し、
乳製品、ヨーグルトの摂取は、結腸直腸癌のリスクと逆相関していると報告されています。
これまで果物、食物繊維、葉酸、ビタミンCは、以前より大腸がんのリスクを減らすことが
指摘され、アルコールや動物性脂肪は、大腸がんのリスクを上げる食べ物と言われてきました。
牛乳も動物性の脂肪が含まれているため、大腸がんのリスクを上げるイメージを持たれていた方もいたかもしれませんが、
今回の研究では、牛乳やヨーグルトの摂取は、大腸がんのリスクを下げることが報告されています。
動物性脂肪は、牛肉などの色の赤い肉の脂肪やソーセージやベーコンなどの
加工肉由来のことを指すということになります。
もう少し詳しく論文を見てみると、1日300mg以上のカルシウムの摂取が大腸がんのリスクを17%低くすること、
200g/日の乳製品の摂取が14%リスクを下げると報告されています。

牛乳や乳製品には、今回の報告以外にもさまざまな体によい働きがあることが分かっています。
牛乳には、カルシウムが豊富に含まれていますが、
カルシウムの吸収を助ける乳糖やカゼインホスホペプチドが含まれているため、
カルシウムが吸収されやすいという特徴があり、カルシウム摂取にはとても効率のよい食品です。
牛乳に含まれるオリゴペプチドの働きにより高血圧予防の働きもあるとされています。
また、牛乳にはカリウムが豊富に含まれているため、脳卒中を予防するとされています。
牛乳に含まれる脂肪は動物性脂肪のため、悪玉コレステロールが増えるはずなのですが、
これまで動脈硬化との関連が指摘されていません。
これは、牛乳を飲むことで血中の善玉コレステロールも増えるため、
動脈硬化の原因にはならないと報告されています。
牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)は、乳酸菌のエサになります。
また、乳糖由来のミルクオリゴ糖は腸内細菌のエサになり、腸内環境を整える働きがあります。
さらに微量ではありますが、抗菌作用のあるラクトフェリンも含まれています。
改めて見てみると、牛乳にはさまざまな良い働きがありますね!
ただ、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするので飲めません。。。という乳糖不耐症の方もいらっしゃると思います。
その場合は、発酵することで乳糖が分解されているヨーグルトであれば通常は大丈夫です。
そもそも乳製品が苦手。。。という場合は、直腸がんのリスクの減少をさせる食べ物はないのでしょうか?
実は、この論文では乳製品以外の食品についても触れています。
カルシウムは、乳製品由来のものばかりではなく、
緑色の濃い葉野菜由来のものでも同様のリスク低減の働きがあったとしています。
日本の野菜だと、小松菜がカルシウムが豊富な野菜ですね!

さまざまなメリットが期待できる牛乳・乳製品ですが、カルシウムの摂取量には、
耐用上限量(過剰摂取による健康障害を防ぐための上限量)が定められています。
牛乳で換算すると1日あたり2L以上の摂取は、過剰摂取となる可能性が高くなります。
毎日牛乳2Lを飲む人はあまりいらっしゃらないかと思いますが。。。💦
適量の牛乳・乳製品をとって、大腸がんのリスクの低減など、さまざまは良い働きを取り入れたいですね♪
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