完全栄養食は、本当に完全なのか?

健康に生きていくための正しい活用方法

ご質問をいただきましたので、完全栄養食について解説してみたいと思います。

最近は、コンビニやスーパーなどで完全栄養食としてパンやカップ麺、ドリンクなどが売られているところを見たり、実際に買ったりしたことがある人も多いかと思います。

「完全栄養食」と言われると、これだけ食べ続けていれば、大丈夫なのかな?と思われるかもしれません。

「完全栄養食」という言葉は栄養学分野や厚労省などで、定義が決まっている単語ではありません。

そのため、メーカーの判断で概ね食事摂取基準で摂取量の記載がある栄養素と言われている成分の3分の1程度が、含まれていれば、完全栄養食として売られていることが多いようです。

つまり、本当に完全な栄養食かどうかはメーカーにゆだねられている状態です。

そのため、消費者庁では誇大表示に注意を促している状況です。

では、食事摂取基準で摂取量が示されている栄養素さえとっていれば、私たちは健康を維持できるのでしょうか。

答えはNOです。

所謂栄養素と言われるのは、これまでの研究で、生きていくためには、食品からとる必要があることが分かっている物質(成分)のことです。

そして「健康的に」生きるためには、栄養素に加えて機能性成分も必要です。

機能性成分とは、健康の維持や増進に役立つ、生体調節機能を持つ食品成分のことをいいます。

食品ごとに固有の成分であることも多く、ポリフェノールに分類されるものが多くあります。

つまり、抗酸化の働きをしてくれる成分です。

抗酸化以外にも、わたしたちが「健康に」生きていくためには、必要なさまざまな成分が機能性成分に分類されます。

完全栄養食ばかりで食事をしていると、生きていくために必要な栄養素は摂れるかと思いますが、病気を遠ざけ、健康に生きていくために必要な機能性成分をほぼ取れないということになります。

そのため、忙しい時などに効率よく栄養素をとる、という目的で食べる分にはよいですが、ほとんどすべての食事を完全栄養食にしてしまうのは、リスクがある、ということになります。

人間のからだの調節機能は素晴らしいものですので、特に若いうちは、機能性成分を取らないような食事をしていたとしても体調に変化が現れることは少ないかもしれません。

けれども、そうしたことが継続すると、体調を維持するために、さまざまなやりくりをして来た体が突然体調を維持できなくなる可能性は否定できない、ということができます。

私たちは、食材そのものを調理して食べることで、栄養素だけではない、からだを健康に保つさまざまな栄養素以外の成分も摂取しています。

完全栄養食はあまり噛まずに食べることができるものが多い傾向があります。

「噛んで食べる」というのは、からだの消化の機能などに重量な影響がありますので、その点も注意が必要です。

手軽で便利な完全栄養食ですが、そればっかり、にならないように注意して、便利に活用していくことが大切ですね♪



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