なぜ、果糖ブドウ糖液糖は良くないと言われるのか
果物との違いと賢い甘味料の選び方
本日は、果糖ブドウ糖液糖について見てみたいと思います。
果糖ブドウ糖液糖は、異性果糖と言われるもので、果糖の含有率が50%未満のものを
「ブドウ糖果糖液糖」、50%以上90%未満のものを「果糖ブドウ糖液糖」といいます。
特に、果糖が55%のものは、砂糖とほぼ同じ甘さで費用が安いことや、
とうもろこしなど手に入りやすい穀物から作り出すことができることから、
1970年代ころから爆発的に利用される量が増えてきました。
低温で甘味が強くなる特徴があること、砂糖よりも保湿性が確保されやすい、
砂糖よりも微生物が生育しにくく品質保持に役立つ、虫歯になりにくいなどとされたこともあり、
ジュース、炭酸飲料、ガムシロップ、アイスクリーム、菓子パン、佃煮など、非常に多くの食品に利用されています。
果物は体に良いとされているのに、果糖が多く含まれる「果糖ブドウ糖液糖」は、
食べ過ぎないようにしましょうなどと言われるのは、なぜなのでしょうか。
その理由は、果糖(フルクトース)の吸収・代謝の性質を理解する必要があります。
果糖そのものは、食べると小腸で吸収されますが、その一部は、ブドウ糖(グルコース)に
変換され、残りは果糖のまま吸収されます。
ブドウ糖は、細胞に吸収され利用される際に、インスリンの作用が必要ですが、
果糖はインスリンの働きには影響を受けません。
ブドウ糖は、すべての細胞でエネルギー源として利用することができますが、
果糖は、まず肝臓で代謝されてからでなければ、細胞で利用できないとされています。
果糖は、吸収されるとすぐに肝臓に取り込まれて代謝されます。
そのため、大量の果糖の摂取は肝臓に負荷がかかり、結果として高尿酸血症(痛風)や
脂肪肝の原因となる中性脂肪の合成を促進することになります。
血液中に中性脂肪が多くなることは、肥満の原因にもなります。
では、果物もとらない方がよいのでしょうか。
果物は、果糖ブドウ糖液糖と同じように考える必要はありません。
理由は、果物そのものに食物繊維が含まれるため、小腸での吸収に時間がかかりゆっくり吸収されることや、
果糖以外のビタミンやミネラル、フィトケミカルの摂取に役立ちます。
そのため、果物そのものを適量食べることは、からだには非常に有益なことなのです。
ちなみに果糖(フルクトース)は、ブドウ糖に比べて老化物質(AGEs)の原因となる糖化反応を起こしやすいことでも知られています。
そのため、さまざまな食品に含まれ、知らずしらずのうちにとってしまいがちな果糖ブドウ糖液糖には、
注意が必要なのです。
では、砂糖と果糖ぶとう糖液糖どちらがよいのか?と考えてみると、
砂糖は、小腸でブドウ糖と果糖に分解されてから吸収されます。
つまり、果糖ブドウ糖液糖よりも吸収に時間がかかります。
そういった意味では、どちらか、と言われれば、砂糖の方が体には優しいと言えるでしょう。
ただし、取り過ぎはいずれにしても良くないでしょう。
美味しさを提供してくれる甘味ではありますが、食べ過ぎは厳禁。
特に、果糖ブドウ糖液糖などは、意外なところに広範囲に使用されています。
原材料を確認して取り過ぎないように注意したいところです。
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