栄養素について勉強しよう

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脂質

脂質とは、水に溶けずベンゼン、エーテル、クロロホルムなどの有機溶剤に溶ける物質の総称です。
脂質は、1グラム9kcalと炭水化物やたんぱく質の2倍以上のエネルギーを持っています。
代表的なものは、中性脂肪、コレステロール、リン脂質などがあり、脂肪酸は、これらを構成する成分です。また、脂溶性ビタミンも脂質の一種です。
脂肪酸には、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の区分があり、長鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸に分かれます。

脂質の種類

中性脂肪

中性脂肪は、グリセロール(アルコール)に脂肪酸が結合したものです。
身体の皮下脂肪や内臓脂肪は、中性脂肪のことでエネルギーが足りない時に分解されて使われます。中性脂肪の働きは、以下のとおりです。

中性脂肪の働き

  • 皮下脂肪や内臓脂肪といった体脂肪は、貯蔵エネルギーとして利用されます。
  • 皮下脂肪として蓄えられている中性脂肪は、熱の放散を防ぎ、外界からの衝撃を吸収し、臓器を保護します。

体脂肪は成人男性で体重の約15%、成人女性で体重の約25%を占めます。
体重65kgの男性の場合で約9万kcal(48日分)、体重55kgの女性で約13kcal(67日分)のエネルギーが蓄えていることになります。
しかし、脂肪酸は糖には変換されません。脳を含む神経組織は、脂肪をエネルギー源とすることができないので、脂肪だけあればよいというわけではありません。

欠乏と過剰摂取

内臓脂肪として蓄えられている中性脂肪が過剰になるとメタボリックシンドロームなど生活習慣病の原因となります。

コレステロール

コレステロールは、たんぱく質に覆われた状態、いわゆるリポたんぱくとして血液中を移動して体中に運ばれています。
コレステロールを覆っているたんぱく質の割合が多いものをHDL(善玉)コレステロール、たんぱく質の割合が少ないものをLDL(悪玉)コレステロールといいます。
コレステロールとしての働きは同じですが、HDLコレステロールは、コレステロールを末梢組織から肝臓へ運び、LDLコレステロールは、コレステロールを肝臓から末梢組織へ運ぶ機能を持っているところが違います。

コレステロールの働き

  • 細胞膜を作る原料になる。
  • 胆汁酸の原料になる。
  • ホルモンの原料になる。
  • ビタミンDの原料になる。

ヒトの細胞膜の成分のひとつがコレステロールです。コレステロールがなければ細胞膜は作ることができません。

胆汁酸は、脂質の吸収に必要な成分です。
胆汁酸が不足すると脂肪の他、ビタミンAやビタミンEなどの脂溶性ビタミンの吸収が悪くなります。
性ホルモンや副腎皮質ホルモンなどのホルモンは、体内で様々な生理作用を調節しています。
コレステロールは、こうしたホルモンに変換されます。
また、コレステロールから作られる物質が紫外線に当たることでビタミンDに変わります。

欠乏と過剰摂取

コレステロールは、非常に重要な成分であるため体内で合成することができます。
このため、食事からのコレステロールが不足することで欠乏症になることはありません。
余分に摂取したコレステロールは、血管壁にコレステロールが沈着し動脈硬化を引き起こすなど虚血性心疾患のリスクが高まる可能性があります。

リン脂質

リン脂質は、ヒトの体内では、細胞の細胞膜や神経組織の構成成分となるほか、ヒトの血漿中にも含まれます。
ヒトの血漿中にあるリン脂質の95%はレシチンと呼ばれる成分であり、このレシチンは、卵黄、大豆にも多く含まれています。
リン脂質の中には、細胞内情報伝達に重要な成分を生じるものがあります。
また、リン脂質に含まれる脂肪酸は、必須脂肪酸を多く含んでいます。

脂肪酸の種類

脂肪酸は、脂質を構成する成分です。脂肪酸を種類ごとに見てみましょう。

短鎖脂肪酸

主に乳製品に含まれています。
また、ヒトの腸内で食物繊維が発酵することで作られ体内に吸収されエネルギー源として使われます。

中鎖脂肪酸

主に乳製品やココナッツオイルに含まれています。
長鎖脂肪酸より分解が早く、エネルギーになりやすい脂肪酸です。

長鎖脂肪酸

主に肉、魚、卵などの動物性食品に広く含まれている他、ヒトの体内の脂肪組織にも多く含まれています。

飽和脂肪酸

脂肪酸のうち、炭素の二重結合を含まないものを飽和脂肪酸といいます。飽和脂肪酸は、体内で生合成できます。
飽和脂肪酸の体内での働きは次のとおりです。

  • エネルギーになる。
  • 中性脂肪のもとになる。
  • コレステロールのもとになる。

欠乏と過剰摂取

とりすぎると血液中のコレステロール、特にLDLコレステロールの量が増えます。
また、摂取量が多いと心筋梗塞や肥満の発症率が高いことが分かっています。
一方、摂取量が少なく必要量が足りていない場合は、血管がもろくなると考えられ脳卒中、冠動脈性心疾患等の死亡率が高くなることが報告されています。

不飽和脂肪酸

脂肪酸のうち、炭素の二重結合を含むものを不飽和脂肪酸と言います。二重結合の数によって一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分かれます。

一価不飽和脂肪酸

脂肪酸の炭素に1個だけ二重結合を含むものを一価飽和脂肪酸といいます。
このうちオレイン酸が有名で、オリーブ油や紅花油(高オレイン酸リッチ)、ひまわり油(高オレイン酸リッチ)などから摂取できます。
酸化しにくい性質であり、動脈硬化の予防効果が期待されています。

多価不飽和脂肪酸

脂肪酸の炭素に二重結合を2個以上含むものを多価不飽和脂肪酸といいます。
その構造によってn-6系(ω-6系)、n-3系(ω-3系)に分けることができます。

n-6系脂肪酸

n-6系脂肪酸のうち、リノール酸は植物油、アラキドン酸は卵類、肉類、魚類などに含まれます。
血液中のコレステロール量を減少させる作用がありますが、とりすぎるとHDL(善玉)コレステロールも減ってしまいます。

n-3系脂肪酸

n-3系脂肪酸のうちα-リノレン酸はえごま油など、EPA(エイコサペンタエン酸)、DPA(ドコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)は、魚油に多く含まれます。
血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を減らす作用があります。また、虚血性心疾患のリスクが低下します。

脂肪酸の一覧

脂肪酸の一覧表

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